横濱たよりロゴ 第210号 2007.1.18
 ベトナム旅行(2)交通編

小型バイクとクラクションの洪水 タクシーからの風景 BGMが流れるバスの車内
 ベトナムは、バイクの数が凄いと聞いていたが聞きしに勝る量だった。多くは100cc程度の日本製のスクーター。おしゃれな人はイタリア製のベスパなども乗りこなしている。運転席の前に子供用の椅子が付いていたり、シートも長めにできていて3人乗りも珍しくない。
  タン・ソン・ニャット空港(ホーチミンシティの国際空港で軍も使用する)から市街地までシャトルバスで30分ほどだったが、小型バイクとクラクションの洪水には度肝を抜かれた。右左折時など車体すれすれに車が行き来する。ヘルメットは99%の人がかぶっていない。その中に3輪自転車(現地ではシクロと呼ばれていた)も混じっているが、死亡事故は少ないという。
 市街地にあるサイゴンホテからは、聖母マリア教会、中央郵便局、統一会堂、サイゴン川周辺までちょうど良い散歩コース内にあり毎日歩いて観光した。ちょっと離れた戦争証跡博物館へはメーター付きのタクシーで向かった。運転手は英語も日本語も全くだめだった。
住宅街の路地にもバイクが溢れる 一度だけ郊外からベンタイン市場まで戻る際に市内バスを利用したが、大人3000ドン(日本円で25円)、子供無料と格安。タクシーだとその20倍程度かかる。適度に冷房が効いていてBGMも流れている。外国人観光客は乗ってこないので何ともエキゾチックだった。
 もっともエキサイティングな乗り物だったのは友人の運転するバイクで、娘と3人乗りで街を走った。平気で逆走してくるライダーも少なくなく、冷や冷やした。住宅街の路地にもバイクが溢れており(右図参照)、市街地だと歩道が人が管理する有料駐輪場になっていたりする。とにかく信じられない数だ。
  めちゃくちゃな感じがするが少し見方を変えるとすべてが納得できる。
  小型バイクを自動二輪車という車の仲間ではなく、原動機が付いた自転車だと考えればよいのだ。ヘルメットをかぶらないもの、二人乗りの人が運転手にしがみついていないのも、積載量いっぱいまで荷物を積んで走るのも合理的と思えてくる。非力な小型バイクなのでスピードもほとんど出ないし、道路を横断する歩行者も自然とよけるのが普通になっている。もっとも日本でも25年ほど前は50ccはノーヘルメットでもOKだった。
 常識と思っていることが時と場所によってはそうではない。異国を旅するというのは、それを体感できるので視野が広がり楽しい。

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