法教育ワークショップ2004

 福井弁護士会では、数年前から地元の中学校・高校に会員を派遣し、法教育模擬授業を行ってきました。今回は福井市内の中学校に働き掛け、夏休みの自由研究や職場訪問と同様の扱いをしていただけることになり、「ジュニアロースクール福井」を2日間に渡り実施し、参加者44名(小学生、高校生各1名含む)全員に修了証を手渡すことが出来ました。
 また、教員29名の参加で「ミニ・フォーラム 〜法教育の可能性を考える〜」を開催し、法教育の現状や現場での問題点、教育者と法律家との連携などを話し合いました。

「ジュニアロースクール福井」

初日午前
 現役若手弁護士が演じた模擬裁判「3匹の子ぶた殺人事件」を見て、殺人罪が適応できるかどうかを各テーブルごとに話し合い、評決に入る前と後ではどのように考え方が変化してきたかなどを体験して貰う。テーブルには弁護士か進行役として参加
初日午後
 普段、馴染みの少ない裁判官、検察官においで頂き、その職業に就いた理由や面白い点などを体験談を通して話して貰いました。
 中学生から寄せられた素朴な疑問に、悩みながらも本質的なやりとりが行われました。
 法律家の仕事は「個人の尊厳」を如何に守るかという点にあるとの見解も示された。

2日目(午前で終了)
 第1教室では、「公平」ってなんだろうをテーマにテーブルリーダーの決め方から始まって、同じで無くても公平になる場合などを考えました。
 仕事や報酬の分配について、みんなの意見をとりまとめながら進行し、兄弟でテレビゲームを何時間ずつ分けるかを公平の観点から考察した。
 第2教室では、「ペナルティ」を考えるをテーマに、討論。不正を正すという観点から「正義」について考え、万引きをした生徒とさせた生徒をどのような罰にすべきかを考察。
 いずれの教室も正しい答えとか間違った答えとかが有るわけではなく、自分と他人の意見を摺り合わせいく過程のワークショップでした。

 最後に修了書を手渡して、2日間のワークショップは無事終了しました。

「ミニ・フォーラム 〜法教育の可能性を考える〜

 小学校11名、中学校18名(一部、校長先生も参加)に参加していただき、中学生対象の法教育模擬授業(60分)を受けていただいた。テーマは生活に密着したゴミ出し場の移転問題を巡っての「ルール策定」。模擬授業を踏まえ、福井大学助教授・法務省「法教育研究会」委員の橋本康弘氏の基調報告、教育現場における実践上の課題を討論。
 生きる力の養成という観点から法教育の重要性を認識しつつも、授業コマ数の減少に悩む現場の声や法曹界に対して宣伝不足ではないかなど活発な意見が交換された。
 最後にフォーラムを傍聴していた法務省の担当者、先進地茨城弁護士会、福井大学教育地域学部の学生からも意見が出された。

 

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