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「法教育」とはなにかをQ&A形式にまとめてみました |
Q. 「法教育」とはなんでしょうか? |
A. 細やかな法律知識やノウハウ(例えば悪徳商法被害にあわないための注意点)以前に、身の回りの紛争や社会の基本的な問題について「自分で考え、公正に判断出来る能力(=法的資質)」を養おうとする教育です。 |
Q. 「法教育」とは司法制度改革審議会が答申した「司法教育」のことですか? |
A. いいえ。司法教育とは「現在の法や法制度」に関する教育です。司法制度改革審議会が「司法教育」の必要性を答申したのは、裁判員制度導入との関連で、国民が「現在の法や法制度」を理解しておかなければならないという意味でした。「法教育」はこれと異なり、現在の法や法制度が立脚している根本理念(哲学)に関する教育をいいます。そして、この理念(哲学)に基づいて行動しようという態度(=法的態度)の育成を目標とします。 現在の法学習(法制度学習)の問題点(福井大学 橋本康弘助教授) |
Q. 「資質」や「態度」を育成しようというのは、道徳教育のようなものですか? |
A. 上記の意味で、確かに「法教育」は一種の人格教育であり、道徳教育に通ずる一面を持ちます。 |
Q. なぜいま「法教育」の必要性が叫ばれはじめたのでしょうか? |
A. 根本には、価値観の多様化や国際化といった日本社会の変化があります。伝統的な社会規範が薄れ、これに代わる行動規範(例えば宗教)が十分に機能していない日本社会の現状では、欧米で宗教基盤の崩壊とともに法教育が模索されはじめたのと同様、「わかりあえない者どうしが共存する原理」としての「法の精神」以外に社会的な行動原理を見いだすことが困難だからです。 「法教育」の効用(福井大学 橋本康弘助教授) |
Q. 「法教育」の取り組みに関する現状はどうなっていますか? |
A. 法務省が「法教育研究会」を設置し、2005年(平成17年)春には、まず中学校教育レベルから「法教育」を導入することを目指して、教材作成等の具体的な準備作業を進めています。
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