
2019年12月14日(土)に喫茶室ニホ(福井県立美術館南側 0776-43-0310)で開かれた「狩野派の終わりと日本画の始まりのお話会」に参加。
話し手は、福井県立美術館の学芸員・椎野 晃史氏で「学芸員て、どんな仕事?」というのもわかりやすく解説。
学芸員の仕事は「保存」と「活用」という相反するもので成り立っていることを再認識。一般市民は、展覧会で美術館に行くことが学芸員との少ない接点となるが、それ以外の仕事も多いことがわかった。展示作品に付けるキャプションや図録の文章などもいろいろと工夫されているとのこと。2016年のブロガーナイト、2017年のブロガー鑑賞会、2018年おとな美ナイトミュージアムなどは、「教育普及」の一環のようだ。
個人的に「美術史研究家」としての活動もされており、自費で東京で資料集めなどの苦労話も興味深かった。
狩野派というのは、社会の歴史で習った程度だったが、江戸時代を中心に400年の歴史が有り、明治時代に西洋絵画が入って来ることで廃れていったとのこと。個人名で有名な画家もいるが、基本的には、多くの弟子を抱え、全国に支店を持つ総合海外商社的な側面もあったようだ。
明治になって初めて「日本画」と呼ばれるようになったのはなかなか逆説的で面白い。それまでは、全部が日本画だったのだ。パリで西洋画を学んだ人達がいかに、新しい表現を確立していったのかという話も面白かった。岐阜県立美術館にある明治時代に山本芳翠「浦島図」を素材にしての解説は納得のいくものであった。
参加費は無料で500円の珈琲だけでゆっくりアートな世界に浸れるのは楽しい。
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