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富山競輪場

取材:2000年7月

 全国のほとんどの競輪場施設は、その開催する地方自治体の所有物となっているのが一般的だが、富山競輪場の場合、施設会社(富山地所(株))が所有管理している。
 施設会社は全国で9場あるが、その中でいくつか例を挙げると、西武園は西部鉄道(株)、花月園は花月園観光(株)、甲子園は甲子園土地企業(株)、西宮は阪急電鉄(株)などである。
 近年、富山は積極的に施設の拡充を図り、平成13年度(2001年)には第3回目の「ふるさとダービー」開催も決定した。
 また、今年2000年富山国体も控えており更に施設改修を進めるとのことだ。厳しい情勢下にある競輪事業だが、こと富山競輪場の積極姿勢には敬服する。

 新装なった富山競輪場選手宿舎は富山市(施行者)が総工費10億5千8百万円をかけて2000年5月に竣工した。今回の参加はまさにぴっかぴかの新宿舎であった。
 鉄筋コンクリート造5階建の新宿舎は124名を収容することができ、特別競輪への対応も可能だ。
 また選手への気配りや適合性を重視したゆったり感のある快適空間は、しばしここが競輪場であることを忘れさせてくれるほどである。
 選手にとって正に至れり尽くせりの富山競輪場選手宿舎、その恩恵はレース面でお返ししたいものである。

 ゆったりくつろげる食堂は一挙に92名が座れる。待ち時間がなく食事ができるというのもありがたい。
 富山は海産物の豊富なところ。イカの黒造りやホタルイカの甘煮、バイ貝の刺身等、お酒好きの選手にとってはたまらない。ついつい酒量も増えがちである。
 名物「鱒寿し」をお土産に持ち帰る選手は数知れず。「富山米」も人気の的である。
 富山参加はおいしい料理にありつけるので楽しみだ、という選手も数多い。
 ちなみに私もそのうちの一人に入っていることは言うまでもない。

 昔はクーラー(冷房)は体に悪いとか、筋肉は冷やしたらダメだとか、練習中に水は飲んだらいけないとか、根拠がない指導ばかりだった。
 近年のスポーツ分野の発展はめざましいものがあり、昔の「定説」はことごとくうち破られてきた。筋肉を冷やしてはいけない、という定説も現在では、まるでナンセンスな話となってきた。激しく使った筋肉は熱をもっているため、それを氷で冷やす(アイシング)ことは、疲労快復を早め、疲労が翌日に残らないという効果が得られることが分かってきた。
 選手は写真にあるような巾着みたいなアイシング用の袋に氷を入れ、熱をもった部分(脚、腰等)を冷やすのだ。この場合、同一箇所20分間を限度とする。
 製氷機は高価なため全部の競輪場では設置されていないが、最近は選手の要望を取り入れ製氷機のない競輪場でも氷だけはクーラーボックスに入れて用意されている。
 選手の競技力の向上は選手自らの研究もさることながら、こうした関係者の理解があってこそ成し得るものである

 通常三泊四日(前検日から3日目まで)の競輪開催であるが、洗濯物も日を追って増えてくる。
 梅雨時期ともなれば、ベタベタしてなかなか乾かない。選手は自立心が強く、洗濯物は自分でする。
 昔は風呂場で洗濯物を洗っていた綺麗好きの選手も多く見られたが、今は自動洗濯機でスイスイ楽々。
 富山の宿舎にも各階毎に6台の洗濯機が設置されていた。ここでも選手に対しての気配りが感じ取れた。
 タマに家から洗濯物を持ってきて女房孝行をしている選手がいるというのは、T受けUを狙った作り話である。

 選手宿舎の各部屋からは、ご覧の様に海面に浮かぶヨットハーバーが見られる。休日ともなればセーリングに向かうヨットマンや釣り人達で賑わいをみせる。
 夜、ほのかな灯りのに浮かぶ水面は、ロマンチックな雰囲気を醸し出してくれる。まさに風光明媚なスポットである。
 富山競輪場のすぐそばには岩瀬浜海岸もあり、これから夏に向けてこの辺一帯は、海水浴客で賑わいをみせることだろう。

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