街角ではなく、街に溶け込んだ現代美術
今回の展覧会は、金津創作の森というアート空間から飛び出したと言うだけでなく、展示場所がJR芦原温泉駅前通りに散らばっているという点が面白い。
それも、街角の公園やベンチに彫刻などを置くのではなく、空き店舗を始め、神社やお寺をも巻き込んだ展示となっている。
どこの駅前も空き店舗だらけというのは日本全国の傾向だが、その空き店舗を利用しての展示は、その方法そのものが現代を映し出す現代美術のあり方を象徴しているように感じる。
特に、労働金庫跡の展示など、封印された大型金庫そのものが作品と思える威圧感がある。青白く感じる蛍光灯の明かりも普段なら日常に過ぎないがこの場では非日常の小道具となっている。
注:JR芦原温泉駅は金津町にあり、特急列車も停車する。北陸芦原温泉の最寄り駅は、京福・芦原湯の町駅。
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