横濱たより


不定期発行 051-1 2001.5.9 発行
918-8112 福井市下馬1-1624横濱商館
TEL 090-3765-1097 FAX 090-3765-2286

何者?かとうかずお


 立体漫画???
 鯖江市吉谷町で工房「でこんぼ」(FAX0778-52-5103)を主催するかとうかずお氏は、自ら「立体漫画」と呼ぶ紙粘土を使った人形を制作している作家である。
 人形を主に作っているのだから人形作家と呼びたいところでもあるが、きれいな博多人形やアンティークドールを作っているのではない。
 普通の人間がガリバーになったような錯覚を覚える体長10cm程度の小さい人形に思いを託す作家なのだ。手のひらに乗るくらいの大きさに笑いのペーストを詰め込んでいるのだ。
 右図の「あいうえお
母さんという作品は文字の書いてあるふたを開けるとそれぞれのお母さんが飛び出してくるというユニークさ。


重いヨネ
 介護保険 母ヨネ92歳 息子・介吾70歳

アイドル

 世の中の話題を立体的に表現した新作15点を加え、アイディア豊富に展示されていて、いつまでも飽きずに見入ってしまう。ほのぼのとした作風の中に漂う人間愛、社会風刺、差別意識には思わずはっとさせられる。


YOUもあっ(ゆーもあ)!展
 2001.4.28〜5.27まで鯖江市資料館(0778-51-5999)で開かれている個展(入場無料)には、400体ほどが展示されている。動くしかけのものや下のオーケストラのように音をあしらった作品もある。
 つつじのきれいな西山公園から北に300m程のところ(元の図書館の隣)なので是非、足を運んで欲しい。


木業のリストラ(洋梨興業(株))
「オーケストラとロックバンド」


一体一体が細部まで手作り
 人形自体の精密さと言うより、細部にわたるこだわりが作品に深みを与えている。たとえば、ギタリストの使っているアンプにはマーシャルのロゴまで作り込んでいる。ほとんどの人は気が付くことが無いようなところにまで凝ってしまうのが作家としての生き様のようだ。
 デジタル、IT革命真っ盛りの2001年ではあるが、氏の仕事はすべてが手作りのアナログなものだ。紙粘土でボディを作り、洋服を着せたり小物を作ったりしたものに丁寧に着色していく。人形2体を作り上げるのに3日は掛かるというのも頷ける。
 SOHOというか自宅のアトリエで犬や猫に囲まれて制作に打ち込む氏の姿は、21世紀にマッチしたものなのかも知れない。


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