
福井市、鯖江市、越前市から車で小一時間の池田町に全国的にも珍しい「能楽美術館」(池田町志津原17-2 tel:0778-44-7757 大人300円)がある。能楽の里池田町を象徴する施設。館内には古くから伝わる能面や公募展の優秀作品など100面を超える能面が展示され、幽玄の美を感じることができる。
美術館は、巨大な能面が出迎えてくれるが、展示室には常設の能舞台があり、その雰囲気も味わう事が出来る。館内を案内して下さった係の方によると、大学の能楽研究会などが合宿練習に使う事もあるが、1日数千円と破格の安さらしい。角が生えた怒り狂った「般若」という能面があるが、あれは、女性である事を知らされて驚いた。能面は、人間のさまざまな思いや、自然界の現象などを擬人化したものらしい。
美術館のお隣には、能面教室も実施している能面工房古木庵という建物があり、多くの古民具が展示販売もされていた。当主の能面師・桑田能忍氏は美術館の初代館長でもあったらしい。
毎年、2月15日に鵜甘神社(うかんじんじゃ)で行われる国指定重要無形民俗文化財の「水海の田楽能舞」も2015年にビデオ撮影させてもらった事があったが、鎌倉幕府の執権であった北条時頼が諸国行脚の折、雪で立ち往生し、水海で越冬した際に村人たちが「田楽」を舞って慰めたところ、時頼が返礼として「能舞」を教えたのが始まりと伝えられている。<3分半の動画>
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