アラブ世界と接した船旅
国連憲章違反のアメリカ主導によるイラク侵略戦争が2003年3月20日に始まった。米アカデミー賞の外国語映画賞に「過去のない男」がノミネートされているフィンランドの巨匠アキ・カウリスマキ監督(45)は、「米国が恥ずべき経済的な理由から人間に対する罪を犯そうとして」とサラリと言い切り、授賞式を辞退した。格好良い。
私がアラブ世界と接したのは1990年1月から70日間に及ぶ船旅だった。当時の総務庁による第2回世界青年の船で、日本人青年100名、外国人青年250名が乗り込み、インド・エジプト・オマーン(アラビア半島南部の王国)・ギリシャを訪問した。(往路復路とも補給の為、シンガポールに上陸)
同室だったクエート人青年・サラ(右上の写真でブルーのシャツを着た男性)と仲良くなり下船後も文通を続けて、名古屋で再会も果たした。
プロの写真家という職業柄、代表団と一緒に訪問国への表敬訪問に同行したり、船長や船員にに話しかけられたりと貴重な体験もすることができた。
インドの副大統領に接見する際は入り口の警備員にカメラバックのチェックを受け、目の前でシャッターを切るように指示され、爆発物の検査も受けた。当時からテロ対策を怠りなく行っていただけだが新鮮な印象を受けた。
多くの参加団員は24枚撮りのネガフィルムを10本程度持ち込んでいたが、私は福井フジカラーの支援も受け、36枚撮りのポジフィルム150本を持ち込んだ。デジカメが無い時代のことだ。
事後活動団体、福井県青友会
国(内閣府)が行う青年国際交流事業には、東南アジア青年の船、航空機による派遣(韓国、中国、その他の国々)がある。
福井県は人口が日本の1/150ほどしかないので参加希望者が少なく、希望者は優先的に参加できるようだ。 特に社会人の参加を求めている。
その経験を活かして事後活動をするための全国組織としてIYEO(http://www.iyeo.or.jp)があり、福井県には「青友会」という組織がある。10年ほど前には全国大会を開催し、5年に1度は北信越ブロック大会も実施している。
今年(2003年)10月には、海外青年のホームステイの受け入れ県になっているので興味のある方は連絡して欲しい。貴重な体験が出来るはずだ。
3月15日には総会および2名の帰国報告会が福井県青年館会議室で行われた。
帰国報告には各自がノートパソコンを持ち込み、デジカメ写真を使ってのプレゼンテーションが主流。船内活動の議題も環境問題に加え、IT(情報技術)もクローズアップされてきているらしい。
世界青年の船に参加した人の報告によると、カナダ訪問時に亡命者が出たという。また、数年前に亡命者の出たカメルーンには入国ビザが発給されず、途中帰国したという。
外国人と接して感じるのは、自己表現というかプレゼンテーション能力が不足している点だ。これからの時代、自分のことをきちんと、できれば外国語でも表現できるようにしていきたいものだ。
最後に、テロの脅威を取り去るためと言いながら、テロへの恐怖を増大させ、殺戮のための費用を他国に押しつけてくるようなアメリカのやり方には強い怒りを感じる。
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